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山中漆器を登録中

山中漆器とは

 

100種以上ある石川県の伝統工芸のうちの一つで、加賀市山中町近辺で主として生産されており歴史は450年と、九谷焼よりも80年ほど古い。

九谷焼の起源の九谷村も山中町の奥に位置していました。再興九谷も隣の山代から始まりました。

 

山中町(旧江沼郡山中村)は木材も磁器用の土も漆も採れて温泉も有り、素晴らしい土地だったんですね。

加賀藩支藩の大聖寺藩の前田家もいろいろとあったようですが、伝統工芸として今日まで残っているのは間違いなく加賀藩と大聖寺藩の奨励の賜物です。

 

山中漆器との関係

 

石川県の漆器としては「輪島塗り」の方が全国的に名が知られているかと思いますが、私としては家から100km以上あって隣県に行くよりも遠い能登半島の輪島より、親戚の多い福井県に行く途中にある加賀市の方が身近でした。

 

今回仕入れをお願いしている「株式会社まえじゅう漆器」様は、九谷に従事していた時にも名古屋の展示会の同じグループで交流が有り、「九谷茶碗祭り」にも出店されていたため家で不足していたものなど買わせて頂いておりました。

東京の同一のお客さんを案内して会社まで同行し温泉で一泊したり、東京ビッグサイトでの展示会でも一人で飛行機に乗ったら座席の周りに乗っておられて、ビッグサイトまで同行させて頂きました。

 

山中漆器の利点と欠点

 

まず何といっても”割れにくい”ことが利点。

ネットショッピングでお客さんも我々も宅配業者も一番困るのが破損です。

最近は減ってきましたが、どれだけ完全に梱包して送り出しても、輸送中の車の振動などでずれて上部から落ちたり逆に落ちてきたものが当たって破損することが極稀に起こってしまいます。

 

名古屋の展示会の終了後の片付け中にたまに大きい音がして振り向くと、陶磁器は粉々になって散乱しているのに比べて漆器はキズが付いたかもだけどそのまま搬出していました(こちらも片付けに一生懸命なため未確認だけどその後の掃除機を使用する音などで推測)。搬出時間は短く、大抵1時間掛からず片付けて帰られていました。

もちろん九谷も私含め従事15年中で2、3品は割れてしまっていましたが、他産地のように積んだサンテナごと倒して割るようなことはしていません。(他産地の名誉のために1、2回のことでしたが。)

その代わりに会場を出るのが日本一の陶磁器会社であり、同一会場内で最大の面積で最大人数で営業している、波佐見の西海陶器様と最後の搬出をいつも争っていました。(彼らはチャータートラック待ち時間があったので我々が実質的に最後でした。)

17時に展示会が終了して3時間掛かってレンタカーの4トンに積み込んで晩飯食べて帰ったら0時までに高速を降りられるかどうか?というのが毎回のことで、翌日も朝から仕事のパターンでした。

ちなみに西海陶器様の北陸地区担当の営業の方とは話をしているので在庫を積めるようになったらそのうちに波佐見焼も扱うつもりです。

作家の多い有田と業務用から一般までの波佐見の住み分けが先進的で、九谷も作家の小松と一般向けの能美とで分業すれば良いのに、と見習わされます。もちろん波佐見にも能美にも作家はいますが。

 

話が脱線してしまいましたがそれ以外は軽い、漆や塗りの温かみなど、陶磁器とは正反対の性質を持ち、樹脂製品ではプラスティックと同等品が作成可能で、しかも豪華な塗りが施されているため贈答品から自前用まで幅広い使用が可能です。

陶磁器で同じことをすると成型から乾燥時には、保っても素焼きの時点で割れちゃいますけど。カドの部分の収縮がネックです。

山中漆器の欠点としては、電子レンジや食器洗浄機が扱えないということでしょう。

樹脂木地に特殊ウレタン塗装の食洗器・レンジO.K.商品はありますが、ほぼ全ての商品がN.G.なのは漆器の性質ですので納得して頂きたく思います。

実際樹脂椀を電子レンジに4~50秒ほど掛けてみると特に変化はみられませんが、中の味噌汁などは温まりが悪く感じ(ここまでは私もやった事は有ります)、2~3分掛けてしまうと漆はもちろん通常ウレタン塗装には電磁波を吸収する性質をもっているそうで、塗装した部分だけが熱を持って収縮するため塗りが剥がれることもあるそうです。

再塗装も可能ですが、自腹で修復と送還費用を出すぐらいなら試すこともおこがまれる、と思います。

 

ちなみに陶磁器は絵の具も素地も電磁波を透過するため、金や銀などの金属由来の絵付けされたもの以外は使用可能です。

 

食器洗浄機は専用洗剤がネックです。

研磨剤が含まれているため陶磁器同様カドの部分から先に数十回使用すると剥げてきます。

毎食後使用すると1か月やそこらでダメージを負うとなるといくら安いものでも使用は憚られると思います。

伝統工芸は食器洗浄機が出てくる以前から流通していたものなので用法を守って正しくご使用下さい。

 

山中漆器の登録

 

材質の多さに驚かされます。

九谷焼は磁器と陶器で良かったのですが、こちらは木地と樹脂、塗りの種類と多種多様さが有ります。

原産国もほぼ国内ですが海外産も有り、画像の文字加工も九谷焼なら一括出来ましたがこちらは

 

国内産木地ー国内加工:山中漆器

海外産木地ー国内加工:山中塗

海外産木地ー海外加工:無印

 

と、三種表記しました。

九谷も海外産素地ー九谷加工は厳密には九谷焼と呼べないため(現在登録中の商品にはありませんが)、表記はしないつもりです。

エクセルの一括もあまり使用できず九谷の倍ぐらいの時間が掛かりました。

LINEでの表記が長くなって見難いかも解りませんが、カタログ通りに登録した苦労を解っていただけましたら幸いです。

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